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従業員の通勤手当て 非課税限度額15万円に拡大 会社が注意しておきたい点

2016/07/22

 近年、新幹線を利用して地方から大都市圏に通勤する人が増えてきた。こうした通勤の実態を踏まえ、平成28年度税制改正により、通勤手当の非課税限度枠が現在の月額10万円から月額15万円に引き上げられることとなった。例えば、東京駅から静岡駅までの新幹線定期代金は133,860円。名古屋駅から大阪駅は136,640円。こうした区間も、非課税限度額の通勤圏内となるわけだ。

 遠距離通勤をしているビジネスパーソンにとっては、家計を助ける改正といえるが、会社として注意しておきたい点が2つある。まず、改正による引き上げは、平成28年1月1日以降に受けるべき通勤手当に遡って適用されるという点。

 もう1つの注意点として、「自社の就業規則を確認してください」と指摘するのは、アクタス社会保険労務士法人の代表社員を務める古田明弘社会保険労務士だ。

 その理由だが、「例えば、『所得税の非課税限度枠の範囲内で支給する』といったように会社が支給する通勤費の上限額を具体的に明記していないケースが多く見受けられますが、この場合、改正により会社が支給する通勤費の上限額も自動的に15万円に引き上げられると解釈されてしまいます。限度枠の引き上げにともない、会社の限度額も引き上げる場合は良いのですが、様々な理由で限度額を引き上げたくないという会社もあるでしょう。このような場合、社員とのトラブルを避けるためにも、具体的な上限額を明記するよう就業規則を改訂しておく必要があります」(古田氏)。

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